人と人の重なり
意外と似顔絵が描ける人でも、人と人が重なる構図を苦手にしていないだろうか。
そう言うこみちも、「重なる構図」は難易度が高い。
その理由は「距離感」がしっかりと描けるかが問われるからだ。
今回の構図では、手間に立つ角田さんが右肩を奥に突き出すようなポーズを取っていて、肩越しから見える飯塚さんは顔をくちゃくちゃにして泣いている。
もう少ししっかりと描き込むと、少し猫背になりしゃくり泣くような飯塚さんの雰囲気がさらに描写できただろう。
最近、「顔」の模写ではなく、「身体」模写にも意識があって、例えば今回では角田さんの背中がそこに当たる。
マネキンに洋服を着せた場合とは異なり、肩甲骨や広背筋の盛り上がりが服越しに感じられ、そこをどこまで描けるのかもポイントとしていた。
重なる構図が苦にならないと、例えばこみちが好きなボクシングや格闘技も描くことができる。
単純に描いてしまうと「試合」の雰囲気は感じられず、ただ向き合って立っている二人になってしまうからだ。
いずれにしても、少しずつ難しい構図にも挑戦して、描ける範囲を増やしていきたい。