King Gnu 『雨燦々』より ワンシーンを描いてみた!

 描く楽しみはそれぞれだけど

最近のこみちは、見た目を描くことよりも、その場の雰囲気や状況を伝えられる場面を描きたくなる。

以前から好きな曲として、King Gnu さんの『愛燦々』があるけれど、この曲のMVもまたクリエイティブで好きだ。

引き(全体の関係性がよく分かるアングル)ではなく、かなり大胆なくらい寄って、顔だけが映し出される。

後になれば、自転車に乗っていることも理解できるのだけれど、まだその時点では大写になった顔だけが画面からはみ出して、上下に動くのしか伝わらない。

しかも、時折り表情が険しくなったり、視線があちらこちらに動いたりで、何か緊迫感が伝わる。

言葉にすると、そんな感じになる情景を、映像ではある意味でサラッと伝えてくれる。

King Gnu さんの曲を聴いた時の気持ちをどう「絵」として再現できるだろうか。

そんな思いもあって、今回はその冒頭シーンを描いてみた。

WBCの感動とAIの技術革新、さらにこれから「描く」ということを中心に語ります。

 WBCの感動で気づいたこと

あまり野球のルールを知らない人や、普段はプロ野球や高校野球にも関心が薄い人でも、大谷選手の活躍をテレビを通じて知ったのではないでしょうか。

実力差のある相手に、終始余裕を見せて勝つということよりも、実力が拮抗していて、どちらが勝つのか分からない中で、ドキドキしながらも応援していると、勝利した時にこれまでには味わえなかったような感情が身体からみなぎります。

例えば、大谷選手の素晴らしい活躍を、人工知能によって再現できたとして、そこにあの時と同じ感動があったのかというと、決してそれは無かったでしょう。

つまり、絵を描くことも、元ネタがあって、それらをAIがそれっぽく作ることはできます。

しかし、技術的には上級者と変わらないレベルになったとしても、「なぜその場面を描こうと思ったのか?」という描く上で最も重要なポイントが抜け落ちているのも事実です。

写真の画像から階調を落とせば、それだけでも描いたような雰囲気になります。

顔にある特徴点をより多く見つけられれば、一般的なデッサンと同じようなロジックになるでしょう。

しかし、デッサンにも言えることですが、目の前に置かれたモノをどれだけ正確に描けるのかは、アートではなく、技術練習に過ぎません。

ある意味、アーティストが目指すのは世界観であって、巧みな技術の披露ではないはずです。

その意味では、トレースによって写真そっくりの絵を描くことも技術向上としては有益ですが、一方で最も幅広い感情を描くなら、描写技術の他に、モチベーションとなる感情が伴わないといけません。

ある意味、全く同じ景色を描いたとしても、そこに異なる感覚をどれだけ盛り込めるのかが腕だと思っているからです。

逆を言えば、そうではないならカメラで撮影した方が変に心許ない画力で描くよりもずっと鮮明に映せるでしょう。

そんな葛藤もあって、描きたいものがなかなか見つからず、かと言って興味の薄いことを無理して描く気持ちにもなれません。

感情が追いついていない感じになるからです。


乃木坂46 鈴木絢音さんを描いてみた!

 鈴木絢音さんを描いてみた!

2度目の挑戦です。

前回もかなり苦戦したので、今回はどこまで描けるのか不安でした。

似ているかと言われたら、「どうでしょうか?」というレベルです。

しかしながら、より粘り強く描くことができたように思います。

卒業されることを公表されているので、まだ画力的には難しい部分もあったのですが、再挑戦させていただきました。

乃木坂46 久保史緒里さんを描いてみた!

 久保史緒里さんを描いてみたけれど

今回のテーマは、久保史緒里さんを描くことではあるけれど、仕草や表情の描写にこだわってみた。

今回のシーンは、キャプテンの秋元真夏さんを前にして感情が溢れ出した時のもので、瞳に溢れ出した涙までどう描けるのかが課題になった。

カメラが広角だったからだろう。

少し顔全体が歪んで見える。

でも描く上では、修正をしないで、見えたままをできる限り描こうと思った。

乃木坂46 弓木奈於さんを全力で描いてみた!

 弓木奈於さんを描きたかった理由

乃木坂46というアイドルグループを知ったのも、youtube の動画コンテンツを見つけたからで、最初は顔も分からなかったのですが、公式チャンネルをはじめ、様々な動画を観ている中でメンバーの顔と名前、さらにグループの方向性や個々の立ち位置など、気付かされることが増えました。

間違えているかもしれませんが、乃木坂46は二代目キャプテンの秋元真夏さんが卒業し、結成当時の一期生が全て脱退したことで、その後に加入したメンバーによる新たな乃木坂46に変化する大切な時期を迎えています。

先輩たちがいなくなってそれまでは後輩として活動していた人が、新たな体制を迎え自身の役割を考えることも増えたでしょう。

つまり、アイドルグループという範疇を超えて、こみちのような一般人にも通じる部分があって、「自分には何ができるだろうか?」とか、「何をするべきか?」というような自問自答もあったはずです。

そんな中で、たまたまyoutube で見つけた弓木奈於さんに関する動画の中で、イメージ的に3枚目キャラを演じていた彼女が、逆に優等生的な存在のメンバーに対して、絶妙な距離感でサポートしている姿を見つけました。

「〇〇のやり方知らない」というメンバーに、「多分ね。多分、〇〇は…」と弓木さんがアドバイスしているのです。

本来なら「知っているよ。これは〇〇をすればいいの!」でもいいはずです。

でも「多分ね」という入り方をする姿勢に、「ん?」とこみち自身は思ったのです。

もしかして、「弓木さんって、普段から自分のことよりも相手を立てているの?」と。

そんな気づきがあって、ある乃木坂46の番組収録で、クイズに前のめりで挑む弓木さんを見つけ、何かこみちの心が動かされました。

以前同様のスタイルでもいいはずなのに、自分から積極的に取りに行く姿に感動したからです。

そんな弓木さんを描いてみたくて、それに通じるシーンとして、正解し腕を高々と挙げる姿を選んでみました。

絵を描く意味とは?

個人的な考えですが、漠然と置かれたりんごをどんなにリアルに描いても、そこにはテクニックとしての価値はありますが、伝えるという意味での価値はありません。

こみちは描くことも、文章を書くことと同じと思っていて、視点や表現方法に違いがあるだけだと思っています。

つまり、何らかの決意をして、意気込む表情の弓木さんを絵で描くことはできるかもしれませんが、言葉としてその瞬間を切り取る言葉はありません。

瞬間を描ける絵の持ち味と、時系列で流れを伝えることが得意な文章には、異なる表現方法があるからです。

その意味で、こみちは似顔絵として「弓木奈於」さんを描いてみたいとはおもわなくて、弓木奈於さんという人物が見せる表情を描くことで、感情の変化や言葉では伝えられないワンシーンを描きたいと思っています。

そのためには、「表情」というものがとても大切で、デフォルメすることでその個人を特徴づける技法は求めている表現方法ではありません。

かと言って、写真をそのまま再現したいのでもなく、究極的には「感情」を描くための前段階のような感じです。

以前よく描いていた東京03のコントで、例えば出演された角田さんっぽい人を描くことが目的ではなく、コントで見せた表情をいかに再現できるか、さらにはそのコントさえも飛び越えて、演技中に思っていた感情さえも見逃さないで描きたいくらいです。

つまり、コントでは笑いのシーンなのに、実は目元は笑えていないというような些細な表情を描きたいのです。

よく初心者向けにりんごを描くことがありますが、形や色を真似ることが第一段階とするなら、重さや熟成度、品種や季節、描いた時刻や気温、天候などなど、「そこにあるりんご」を描くことがこみちの目指したい描くことの目的になっています。

つまり、ある段階まではリアルさの追求なのですが、その先は感覚的な領域で、でもそこに到達するにはまだまだ画力が足りません。

今は気ままに描くことを続けながら、いつかそんな意味で描けるようになりたいと思っています。

なぜ、このシーンを選んだのか。

いろんな背景があって、今回はこのシーンを選ばせてもらいました。

もっと画力が向上すれば、さらに多彩な表現が加えられるとは思うのですが、地道に描いていないと簡単には向上しないのが絵なので、もっとこみちが感じることを上手く伝えられるようになりたいです。


東京03人気コント『夢破れて』より

 夢破れて

20年という長い年月を漫画家のアシスタントとして働き、連載を夢見ていたもののそれが叶わないと帰郷を選んだ角田さん。

同じアシスタントとして活躍する飯塚さんや豊本さんも、駅のホームまで見送りに来てくれた。

しかしながら、電車が事故でなかなか来ない。

三人はベンチに腰掛けて、別れの時間になるまで、同じくアシスタントとして過ごした日々を思い出す。

ふと、テンションが上がった角田さんが立ち上がり、二人の今後の活躍を故郷で祈っていると告げ、さらに感謝の気持ちを語ると鞄を肩に担いで、ホームのスレスレまで歩いていく。

「じゃあな!」

角田さんは、最後の別れの言葉を発した。

「電車、電車で来てないよ」

「嗚呼〜」

ある意味でロマンチックで感極まる角田さんは、アシスタントとして過ごした日々を、24時間漫画だけを考えていたと語る。

それくらい夢を追い、やり切ったからこその帰郷なのだと。

でも、見送る二人はそんな風に思っていなかった。

むしろもっと真面目に向き合っていたなら、夢だって叶ったはずだという。

何より、一時期は女に惚れ込み、連載の持ち込みもしなくなって、それを不満にさえ感じていたくらいだ。

二人からの印象を知り、「良い感じで帰らせろ!」と角田さんは怒ったりもするのだが…。

それでもまだ電車が遅れているようだ。

駅のホームで、わちゃわちゃと騒ぐ三人の様子が、東京03っぽくて好きなコントの一つでもある。

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