東京03コント「隣席」より 気になったシーンを描いてみる

 気になったシーンを描いてみた!

今回、描いたシーンはコントラストが強い場面。

選んだポイントは、角田さんと飯塚さんの二人がいて、飯塚さんが手を伸ばして角田さんに触れていたから。

似顔絵を描く時に、一人だけの場合は必要ないけれど、複数人になるとサイズ感や色味など、いろいろと関係性が気になってくる。

その辺りの描写力は、とても重要だと思っていて、例えば街並みを描いた時も建物や道路だけではなく、そこに居合わせる人など「関係性」があってこそ。

今回のシーンでは、不満顔の角田さんに手を伸ばして制している飯塚さんという関係があって、理由が原因は別としても、左腕を押さえられて立ち上がることが阻まれた雰囲気を描きたかった。

さらに細かなことを言えば、柔らかい生地であろうポロシャツを着た角田さんに対し、綿のTシャツにシャツを羽織った飯塚さんがいることも、光の当たり方で表現できていたら嬉しい。

今回の場合はブラック系の単色で、でも二人の後ろにある奥行き感が感じ取ってもらえたら、さらに嬉しく思う。

写真(画像)の完全コピーも、描画力を向上させる大切な練習ではあるけれど、機械的なコピーにならないように、描いた側の癖やタッチがいい感じに残されていて欲しい。

多分、今回のイラストは、トータルで10時間くらい掛かっていると思うけれど、これをさらにあと50時間使うと画質はかなり向上できると思う。

でも描くという意味では、「高画質」であることよりも「雰囲気をどう伝えられるのか?」にこだわりたい。

前回のイラストでは、角田さんと飯塚さんが抱き合っているシーンで、人が「奥行き」として存在し、それが二人になって抱き合った時にも、人としての厚みを損なわず、存在感を残して描くことを目指したかった。


東京03「返信メール」より らしいセリフがイイ!

 東京03人気コント「返信メール」

東京03の「返信メール」は、想いを寄せる相手からなかなか返信メールが届かない飯塚さんが落ち込んでいる場面から始まる。

そこに豊本さんが突っ込み、さらに角田さんが現れて落ち込む飯塚さんに絡み始める。

勢い余って、角田さんが飯塚さんを抱き寄せた。

そのタイミングで、飯塚さんが放った「強めに抱く〜」というセリフが特に好きで、今回はそのシーンを描いてみた。

二人とも白い衣装で、しかもシワが出来やすい。

描く上では、画力が試されるモチーフなので、どこまで描けるか個人的にも試してみたかった。

東京03人気コント『それぞれの災難』より 気になるシーンを描いてみた!

 絵描きの本音

「絵が上手い」と言われるためには、卓越された画力を目指すことだろう。

でも絵描きと呼ばれる人の大半は、「上手い」ということを重視していないのではないだろうか。

こみちの場合、「コレ、描けるかなぁ?」という気持ちが描くモチベーションになっている。

〇〇さんに似せた絵。喜怒哀楽が伝わる絵。

本音を言えば、もうその辺りには興味が薄い。

例えば、テーブルの上にりんごが1つ置いてあって、それを描くことになったとしよう。

「りんご」を描くとか、写真に見えるほどリアルに描くとか、確かに描こうというモチベーションにはなり得るけれど、描く前から完成度ってある程度見えていたりもする。

でも、描こうとしたりんごに、何か特徴的なキズがついていて、そのキズを見たら別の情景を連想させるような事情があったなら、絵描きはその背景を「描けるだろうか?」と張り切るだろう。

料理にしても、店で食べる味と家で食べる味に差があるのは、「味」には環境や雰囲気のようなものが強く影響するだと思うし、その描写に対して社会経験が伴っていない鑑賞者だと何を意図しているのか気づかないことも多い。

その意味では、りんごを「りんご」として描いたり、「写真っぽく」描いたりことは、見る側に予備知識がなくても鑑賞できるような絵だったりする。

一方で、絵描きが描きたい絵とは、段々とそんな類いから逸れて、見た瞬間に過去の経験や感情と結びつき、「もしかして?」と心を揺さぶることに目的があるのだろう。

つまり、描かれた「りんご」を見た時に、幸せそうな情景が浮かんだり、何か物寂しさが感じられたり、そんな「りんご」を通じて感情表現できたら、絵は存在価値を持つのだろう。

学生時代は喜怒哀楽の全てを満遍なく描いてみるのも大切だけど、社会人になって描くのであれば、自分にしか伝えられないような「気持ち」を表現したい。

人物画、風景画というジャンルに偏りがあったとしても、絵を見ただけで誰が描いたのか分かってしまうほどの感性を絵に盛り込めることが重要だからだ。

いつだったか、漫才のネタは同じなのに、漫才師が変わるとウケ方が違ってくるという映像を見たことがある。

「誰が何を喋るのか?」以上に、漫才師の仕草や間が笑いに大きな影響を与えているという証拠だ。

「あの人、絵が上手いよね!」

そう言わせてしまう原因は、まだまだ絵に中身が伴っていないからとも言える。

「上手い」と褒められることは嬉しいことだけど、その情景や空気感までも描き、見た瞬間に「この気持ちって何だろう?」と言いようのない感情の揺さぶりまでできるようになりたい。

東京03『それぞれの災難』より

 東京03人気コント

今回はこのシーンを選びました。

人物画を描く時に気をつけているポイントがあって、いわゆる「似顔絵」的なものではなくて、その人の雰囲気を目指しています。

具体的には背丈や重みから来るその人の存在感をどこまで描けるのかを意識しています。

飯塚さんと豊本さんの場合、多分身長的には豊本さんの方が高いはずで、また意外と肩回しも大きくて、でもだからこそ二人が並んだ時には少し猫背気味に立つ癖とかも描きたいと思っていました。

また、絵を描く人にとっては、衣類のシワをどう描くのかは気になる所ですが、雰囲気でパターン的なシワで誤魔化すこともできますが、イラスト的な仕上げではなく、写実的な仕上がりにしました。

腰に巻いたツナギの上着部分のボリューム感も今回の課題になるので、ベース色の青色を基本に、数段階色を使って描きました。

背景のロッカーも加え、立ち位置との距離感も明確になって、画面全体に統一感が出て来たら嬉しいです。

描くことがこみちにできる唯一のことでもあるので、少しずつでも成長できていたら良いのですが…。

この一枚に込めた想い

 この一枚に込めた想い

みなさんは絵を描いているでしょうか。

右の一枚。

個人的には、「描けるかなぁ?」という気持ちになったモチーフです。

ポイントとしては、ロウソクに灯った炎。

「嗚呼、火がついているなぁ」と無意識に感じ取れるくらいに描けたことです。

そして、もう一つのポイントが、その炎の明かりで照らし出された手や袖の反射具合を表現できること。

最後がグラスを忠実に描くことですが、これに関しては今回特に課題にはしませんでした。

鮮明な元画像を再現するのとは異なり、ある程度の粗さがある場合には、描き手が不鮮明な部分を補いながら描くことで、経験値を活かそう思う部分と、見えたままをどれだけ無で描けるのかという矛盾を抱えます。

今回もトレースやグリッドによるガイドを使っていないフリーハンドなので、元画像と全く同じに描くことはできません。

その代わりに、場の雰囲気や空気感を優先的に伝えることが期待でき、今回の描画でその何割かが再現できていたら嬉しいと思います。

冒頭に挙げたいくつかポイントの他に、両腕を前に伸ばしたことで、胴体との空間が作られています。

それはロウソクの炎の明るさによって視覚的に伝わるものですが、反省点としては腕部分のハイトーンをもう少し抑えることで、全体の距離に統一感が生まれたと思います。

手に関しても、階調としてはもう少し段階を分けて描くこともできたのですが、制作時間にも限りがあったので、時間との兼ね合いで省略したことが全体的の完成度を下げてしまったように感じます。

単純に人物画を似顔絵として描くのではなく、表情や仕草からその場の雰囲気や内面まで描けたらと思っていますが、今回に関しては顔が含まれてはいないので、気持ちというよりももっと美術的な要素として描くことを楽しみました。

暗闇を描くとか、照らされた部分と影の部分を描き分けるような表現は、必ず必要になるものなので、現時点でどれくらいの描写ができるのか確認できる課題でもありました。

修正点や課題もありますが、全体的には満足できる部分も多く、描いてよかったと思います。

どうでしょうか。


東京03人気コント『誰?』より 描きたかったシーン

 描きたかったシーンを描こう!

今回は特に描きたいと思ったシーンを選んでみました。

ただ、画力が露呈するので、ちょっと自信はありませんが…。

豊本さんが演じるモトコさんに掛かってきた電話が気になって、後ろから忍び寄る角田さんを描きました。

まだまだ細かな部分は描ききれていませんが、雰囲気が伝わっていたら嬉しいです。

東京03 人気コント『誰?』より 「誰〜!」と叫ぶシーン

 東京03のコントは

ふつう、コントなどのタイトルは、その内容を象徴するようなものから命名させます。

つまり東京03の「誰?」というタイトルのコントでは、誰か誰かに正体を聞きたくなる場面があって、そこに何らかのドラマが潜んでいることになります。

実際、冒頭シーンでは角田さんと豊本さんが二人並んでソファーに腰掛け、豊本さんが演じるモトコちゃんの失恋が根底にあって、不安な気持ちを癒そうとして角田さんが話掛けていたはずです。

今回描いたワンシーンは、角田さんが片手を高く上げて遠くを指さして、「誰〜!」と叫んでいます。

ある意味で、このコントのタイトルが命名された代表的なシーンです。

それ故に笑いがあって、コントとしても大きな盛り上がりになる部分です。


東京03人気コント『誰?』の冒頭シーンより

 『誰?』

東京03の作るコントは、タイトルから連想されるストーリーとは別角度の「裏設定」があたりします。

その意味では、この「誰?」についても同様で、最後の「オチ」は意外なひと言で終わります。

さらに、この「誰?」では冒頭から繰り返しの「セリフ」が登場し、無意識のうちに視聴者の頭に大きなフリとして認識することでしょう。

話が進むにつれて、その「セリフ」を意識して、ジワジワと笑いを生み出します。

今回、ピックアップしたワンシーンは、コントの冒頭シーンですが、東京03が人気である所以は、仕草の一つひとつがしっかりと演出されていることでしょう。

見ていただいている「絵」ですが、角田さんと豊本さんの役柄はどんな風に見えるでしょうか。

男女だから恋人同士?

でも角田さんの姿勢は少し手すりに寄りかかるようで、親身な間柄には思えません。

しかも、女性役の豊本さんも両手を組んでいて、決してリラックスしているだけではなく、どこか緊張しているようにも見えないでしょうか。

また、膝頭の向きと手の位置に着目しても、角田さんがどこか落ち着かない様子に見えますし、豊本さんは膝頭を角田さんに向けてもいません。

もしもカップルのような関係なら、きっと二人の距離が離れていたとしても、どこか向き合うような空間になることでしょう。

実際、この『誰?』では、角田さんが以前にフラれた経験のある友だちで、豊本さんの家に来ている設定です。

絵を描きながら、東京03の作るコントはストーリーもそうですが、演技という意味でもとても魅力的です。

だからこそ、その雰囲気を感じ取って描いてみたいと思うのです。

場面としては、もっと注目度の高いシーンがあるのですが、絵を描く者としてはあえてこのシーンを選んでみました。

なぜなら、単純に「男女がベンチに腰掛けている」ということではなく、今まで紹介したような設定があって、それに相応しい表情や仕草で彼らは演じているからです。

目標として、描かれた人物が誰なのか分かるということではなく、ある意味で心理のようなものまで感じ取れる絵を描けたらと思っています。

まだまだその域には到達できていませんが、今後もコツコツと描き続けて行きます。


東京03 人気コント「気遣い」より

 「コーヒー買って来たんですけど!」のシーン

コント「気遣い」は、何か気を利かせて「してあげる」だけではなく、「何もしない」こともある。

東京03のコント「気遣い」では、サラリーマンの先輩と後輩という立場で、後輩役の豊本さんは何かと積極的に先輩の飯塚さんに気を配る。

一方で、もう一人の後輩、角田さんはこれまで表立っては何もしなかった。

「お前、オレに何もしてくれたことがないよな!?」

という飯塚さんに問い詰められて、角田さんが「なんか〜」と語り出し、いつも積極的な豊本さんの行為をいじり出した。

それを見て、飯塚さんも思わず自身の胸に手を当てて、「ドキ!」とあざとさを示す。

コントではとても重要なワンシーン。

今回はそんなシーンを描いてみました。

精密画ではありませんが、コントの雰囲気が少しでも伝わっていたら嬉しいです。

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