「雲」を描くこと
風景画を描くには、人物画では使わない「ぼかし」が重要になる。
しかし、一般的に絵を描く時は、明度差に意識が向かい、輪郭線を追ってしまう。
そんなやり方で躓くのは、例えば「雲」を描く時ではないだろうか。
右のイラストは、下地を塗って全体的な色の配置を確認している段階のものだが、辛うじて右下の濃い雲だけが他よりも手が加わっている。
元ネタは乃木坂46の「帰り道は遠回りしたくなる」のMVだが、もう少し描き込まなければ空の奥行き感が現れない。
最も手間に存在する背中を向けた人物に対し、それよりも淡い色合いでどこまで忠実に色彩を再現できるかで、このような構図のイラストは出来が決まる。
特に、掲載したイラストを拡大してみると、かなり乱暴に着色されていると気づくだろう。
それはつまり、「線」で追わない工夫というか、ぼかしを生かしたいための準備だ。
理論上は「雲」が描けたら
多分、雲が正確に描ける人は、基礎ができた人だろう。
そこからが創作の始まりで、何をどう描きたいのかが試される。
こみちの場合は、今描いている風景画の完成度で判断できると思うが、基礎が出来つつある段階だろう。
これに加えて、基礎デッサンや使用する絵の具の特性を理解できたら、表現できる幅が広がってくる。
まだまだ、各部の精度が低く、課題を持って挑戦し、できたところと上手く描けなかった部分を分けて、練習を重ねたいと思っている。
このイラストがどれくらいの完成度になるか、自身でも楽しみにしている。