美形の女性を描く難しさ
「美しい」と感じる理由は、その配置のバランスと各パーツの無駄の無さが関係しています。
つまり、少しでも配置が異なると、描かれた絵は全く異なる人に見えますし、そもそもその人を描く理由を失います。
白石麻衣さんにしても、向井葉月さんにしても、とても美形の顔立ちで、その特徴はちょっとした一部分ではなく、全体的に織りなす関係性があってこそ成立します。
つまり、目鼻口と描こうにも、ササッと引いた線だけでは全く白石さんには思えません。
「ああどうしよう!? 全然、描けない!」と思ってしまいます。
時間を掛けて、何度も何度も見直して描いたのが、このイラストです。
どうでしょうか。どちらが白石さんで、もう一人が向井さんだと分かるでしょうか。
しかも、頬を寄せてこちらを見つめる視線にも少し違いがあって、強いしっかりと見つめる左側の人と、少し頬を寄せることに躊躇いを感じ、見つめる視線もどこか不慣れな印象の右側の人。
もしもそのような解説をイラストから感じ取ってくれたのなら、こみちが意図して描いたテーマがしっかりと伝わったことになります。