長年の工夫で見つけたコツ
こみちが絵を描き始めた頃、顔を真正面から描けても、斜めや下からのアングルになると、途端に形が歪んでいました。
前回の記事に丸や四角が基本なのだと紹介したのですが、もう一つのポイントがあるとすれば、「できる限り正確に2Dに落とし込む」ことなのです。
というのも、細長いバナナを描く時、「細長い」という先入観が書き手に残っていると、実際の長さ以上に長く描いてしまいます。
つまり、「見たまま」をどう紙の上で再現できるかがポイントなのです。
しかし、初心者ほど、「見たまま」と分かっていても、どちらに伸びているのか混乱して、最後には辻褄が合わなくなって思うように描けないことも多いはずです。
右の線画は、少し下から描いた人物画です。
鼻によって右眼が隠れていることや、アゴ下部分が見えていることなど、「真正面」とは異なるポイントがいくつもあります。
赤い線がイラストに描いてありますが、この「線」こそがこみちの見つけ出したコツになります。
最初にイメージするのは、左右の眼の中心と鼻先、アゴを貫く「センター」の確認です。
同時に、鼻先から頬、耳へと続く奥行きも感じ取ります。
「ここに頬があって、後頭部へと奥に進むのか…」
この意識が持てないと、顔が大きくなって潰れたように見えるでしょう。
また、赤丸で示した部分を作るために、アゴ先から耳へと続く線と首から耳へと続く線を作ることです。
そうすることで、赤丸のエリアが生まれ、しっかりと「アゴ」を描くことができるはずです。
実際、少し下から描けるようになると、さまざまポーズや表現方法が可能になるので、描くのがもっと楽しくなるでしょう。