「似顔絵」で目指す領域を模索した!?

格闘家「ヤーマン」を描く!? 

似顔絵を描く人は多い。

どうやら、仕事として依頼を受けて描く人もいるようだ。

こみちにとって「似顔絵」書きのスタートは学生時代の先生を描いたことにある。

授業中に真剣な眼差しでノートに書き写したのは、黒板の文字ではなく先生の顔だった。

それを後からクラスメートが見て笑ってくれたことが始まり。

その後も社会人になって、名刺交換をした時に、名刺の隅や裏に似顔絵を描いておくことが習慣化した。

「文字」で伝わることと、「描写」で伝わる領域は異なる。

例えば「どう可愛い子なのか?」という部分で、小説なら文字が作り出す世界観でその人物像を描き出そうとしている。

その意味では視覚的な表現が得意な「描写」は、目で見た印象をダイレクトに伝えられる。

しかし、そこにもこだわりがあって、「似ている」ことでは終わらせたくない。

なぜなら、そんなに人は「真顔」で生活していないし、写真撮影を待っている顔よりももっとその人らしい表情がたくさんあるからだ。

そうなると、目や鼻、口を単純にトレースするだけでは「その人の温もり」までは表現し切れない。

だから意図的に喜怒哀楽がある表情を選び、さらにその人らしい表情を探して描くようにしている。

格闘家「ヤーマン」という人の印象

格闘技を日頃見ない人には格闘家と言われてもピンと来ないかもしれない。

しかし、リング上で戦うハードな一面ばかりが彼らの全てではない。

特に最近では選手個人もYouTube チャンネルを運営していて、彼らの日常を伝えてくれる。

そして「ヤーマン」という選手もまた、大学を卒業し一級建築士の有資格者で、とても聡明な人がいる。

でも、「知性」や「理屈」を前面に出していなくて、あくまでも凶暴でパワフルな一面を押し出してくる。

面白いのは、それでも見え隠れしている気遣いのある人柄。

今回描かせてもらった一枚も、少し照れくさそうに自身の耳を触りながら、サングラスの奥で目元が笑っていることだ。

「ヤーマン」という人物の良さを伝える一枚として、とてもいいシーンだと思う。

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