「デッサン」は好きですか?
デッサンというと、やっぱり石膏デッサンを思い出す人も多いのではないでしょうか。
右のイラストは下書きですが、雰囲気だけ「ブルータス」を描いてみました。
多くの人がブルータスを苦手とする理由は、「アゴ」の処理ではないかと思います。
「鼻」についても同様で、鼻を見上げるアングルってどう描いていいのか悩みますよね。
まず大きな誤解があるとするなら、「デッサン」と「創造性」は異なる能力ですし、「デザインのセンス」とも違います。
なので、素晴らしい芸術作品を生み出す人でも「デッサン」は苦手という人もいるくらいです。
では「デッサン」って何の目的があるのでしょうか。
それは単純で、「見たまま」を写しとるという訓練です。
下書きとして挙げた「ブルータス」も、まだ実物と比較すればかなり線が狂っています。
どう「狂っているのか?」を比べて、それを直し続ければ、理屈では実物そっくりに描けてしまうとことです。
つまり、自分が描いた「線」がどれだけ間違えているのかが分かれば、正しく修正すれば良いだけです。
音楽で言うと「音程」を取るようなもの。
どれだけ音を外しているのかも意識しないで、歌って(描く)も時間を掛けた割に上手くなりません。
ただ歌い慣れる(描き慣れる)と言うことはあって、音を外していても継続していると好きなテイストの絵ならば上手に絵描けるようにはなります。
そう考えると、「デッサン」は、いろんなテイストの絵を描くための訓練とも言えるでしょうか。
線画にしても、色付きの絵にしても、見た情景を紙に落とし込む作業は、明度や彩度の変化をどこまで詳細に感じ取れるかでその完成度が変わります。
その意味では、見えた「色」が「何色か?」よりも、「どんな成分の色で構成されているのか?」を考えることが大切です。
そのためには、CMYとかRGBという色味の構成を学んだ方が上達も早いはずで、より幅広く絵を理解するには一度でも「美術」の基礎を学んでみると面白いでしょう。
今にして思えば、上手く描こうと意気込み過ぎず、もっと見たままを描けばいいと気づいていたら、絵との関わり方も違っていたと感じます。
ただ、こみちは上手でも下手でも、描くことが好きなのですが…。