そこそこで満足してしまう!?
こみちの悪い癖は、ある程度の段階で満足してしまうこと。
なぜなら、絵を描きたいからではなく、絵を描くことで感じた感覚を残したいと思っているから。
それが誰かのためではなく、自身の記憶や思い出になれば十分なので、昔は色付きの絵さえも描かなかった。
右のイラストは、昨日に紹介してから気になる部分をさらに描きこんだもの。
厳密には帽子や着ている洋服、髪の毛など、まだまだ本当は手を加えられる部分もある。
金川紗耶さんという方をイメージするために、残すべきポイントだけで描けたら、それは最高の似顔絵になるだろう。以前にも話をしたけれど、こみち自身が目指しているのは、自身の感覚を「図形」として描き残すことで、写真そっくりに描くことでも、デフォルメされたキャラクターでもない。
左側のイラストは、昨日に公開した時のもの。
比べてみると、金川紗耶さんという人物、さらに肌の凹凸や、微笑んだ時の表情筋の動きを示しているだろう。
ただ、個人として「金川紗耶さんってこんな表情をするなぁ」と思った印象は同じで、違うのは描きこんだ方がよりそのイメージを絵に落とし込めているということ。
それこそ、画像を下絵に描けば、寸分の違いもなく簡単に描けるのは分かる。
でもそこに意味を感じないのは、写真のように描くことが目的ではないから。
重さ100キロくらいの大きさに感じたら、そのイメージを描きたい。
美人だと思ったら、どう美人だったのかを描けたら嬉しい。
でもそれを表現するための画力を身につけるのは容易ではなくて、例えば今回のイラストで言うと、笑った時の頬の盛り上がり方に特徴があって、そんな風に表情をはっきりと示すことができるのは、顔立ちの性ばかりではないと思う。
つまり、内面の動きが表に出た部分で、それがどこにどう現れているのかを観察して描くことが楽しい。
その意味では、二つのイラストの根本的な評価はほとんど違ってはいなくて、むしろ、もう少し画力があったなら表現できたであろう部分が描けていない。
もっと上手くなりたいなぁと思うのは、写真に寄せたいからではなく、感じた雰囲気をさらに限界近くまで落とし込めないもどかしさが残るから。
とは言え、既に気持ちのどこかで満足しているでしょう。
そこがこみちの弱点。成長しない理由とも言える。