ある尊敬していた人の絵を見て
とても多くの方々から支持されている人で、こみち自身もその方のテクニックに感心させられていました。
しかし、ある時に気付いたことですが、ちょっとした違和感を持ちました。
それがモチーフ(描こうとしている対象物)のイメージを追っていないように見えたこと。
つまり、大きなものを大きいように描くとか、小さく見失ってしまいそうなものをそう感じるように描こうとするのは、絵を描く人なら誰でも意識しているとこみちは思い込んでいました。
最初は、どうしても形を追うことに夢中で、大きさや重さ、色味に対して二の次になってしまうことがあります。
しかし、段々と描き慣れてくると、なぜ描きたいのか?という部分に疑問を持ち、その答えとしてモチーフの存在感を強く意識するようになるはずです。
もちろん、意識してもそれが完璧にできるとは限りません。
また一流である人ほど、繊細でわずかな違いまでも再現してしまうでしょう。
「これくらいでいいだろう」と思って、紹介されたなら分かります。
こみちも自身としてはまだ納得できていない時に、時間的な制約もあって無理無理に完成させた経験があるからです。
とは言え、こみちの場合、今回はここだけは手を抜かないぞと決めた部分があって、そこに関しては手応えを感じるまでは頑張っています。
本当に作品として評価されるなら、隅々まで意識させなければいけないとは思いますが…。
それにしても、その絵を見た時に、「ん?」となりました。
というか、本当に本人が描いたのだろうかとさえ疑いました。
それほど、描いた絵に感じ取るものがなかったからです。
位置関係のズレも大きく、バランスも悪いし、事実全く別物にしか見えないくらい違っています。
それで何を描こうとしたのかと思ってしまいました。
こみち自身も日頃からハガキサイズくらいのスケッチブックを持ち歩き、鉛筆で5分くらいの走り書きのような絵を描くます。
バランスを取るというよりは、雰囲気を描き取ることが目的です。
でも、自身ではその絵を見て、雰囲気を思い出せたりするのは、ポイントだけは描き取れているからでしょう。
逆を言えば、そこまで到達するまでに多くの練習をして来たと言っても過言ではありません。
何よりそんな風に描けるようになりたかったからです。
こみち自身がそう思って描き続けて来たので、尊敬する人も同じように思い込んでいました。
でも、もしかしたら誤解していたのかもしれません。
ちょっと残念になったという話でした。