今回も東京03の面々
人物画を描こうと思った時に、その人の顔立ちに似せたくなります。
また、全身を描くならプロポーションも同じで、実際と近い方が臨場感も生まれます。
「絵」だから無意識に加工しやすいのですが、理想に近づけて描いてしまうとどれも同じような仕上がりになって、描く意味が失われます。
意外と椅子に腰掛けた人物を証明方向から描けないということはないでしょうか。
股関節から膝頭までの「距離」を意識するあまりに、それを描こうとしてバランスを崩してしまうことがあります。
しかしながら、どんなに長い「棒」も点と点が重なるようなアングルで覗くと、当然ですが距離は感じられなくなるはずです。
つまり、イスに腰掛けた時の太もも部分の長さも短く見えて不思議はありません。
青色のネクタイの人が飯塚さんですが、微笑むように画面の外にいる角田さんを見つめています。
今回描いた理由でもあるのですが、飯塚さんの角田さんに話す時にこのアゴの角度が「あるある」なんです。
特に東京03のコントを見ていない人にすれば、気にもならない表情なのですが、この表情を見て「フリ」なんだと気づきました。
「フリ」というのは、ストーリーを展開させる演出方法で、あえて先に見せることで印象を深めて、展開後に「嗚呼、なるほど!」と伏線が回収されるためのキッカケです。
実際、東京03のこのコントでも、先輩役の角田さんに見せた「この表情」がフリとなって、後に続く展開がより際立っています。
顔だけではなく、両肩の傾き具合や背骨の斜めっている部分も、結果的ではなく、実際にそんな風に飯塚さんは座っていました。
手足の単純な長さやバランスだけではなく、その人物の人柄が表れていたら、そこまで描けるようになりたいです。