「タクシーを降りる女性」を描く

タクシーから降りる女性

人物を描く時、初心者は正面顔を描くことから始めましょう。

というのも、正面顔は二次元的であり、左右上下の意識で描けるからです。

全身像になったとしても、その意識は同じで、また左右対称というのも描きやすいポイントでしょう。

しかし、練習だとしても、正面ばかりでは面白くありませんし、斜め方向からも描いてみると、その意識の違いにも気づくはずです。

さらに、座った姿勢になると、骨格を意識して描かなければいけません。

さらに言えば、重心の位置にも注意しないと、とても不思議なポーズが出来上がってしまいます。

今回選んだシーンは、タクシーから降りようとしている女性です。

片足はすでに地面にまで届いているものの、重心は車内に残っている状態です。

ドアに掛けた手にも力を入れて、これから身体を引き起こそうとしているとも言えます。

スケッチとして狂いを少なくするには、各関節の位置が適切でなければいけません。

頭は車外にあるとしても、下半身の大半はまだ車内に残っています。

つまり、奥行き感が適切でないと、座っていることを感じられず、例えば空中に浮いているように見えたり、車内にあるはずの身体まで外に出て見えたりします。

時に座位での奥行き感は描き難く、薄っぺらになってしまいやすいのです。

もしもそうなってしまうと、「車から降りる」が降りているように見えません。

着色したり、明暗をもう少しつけると、それだけでも「降りる」が明確になります。

しかし今回はスケッチだけということで、一応の完成としました。

こちらもオススメ