東京03コント「隣席」より 気になったシーンを描いてみる

 気になったシーンを描いてみた!

今回、描いたシーンはコントラストが強い場面。

選んだポイントは、角田さんと飯塚さんの二人がいて、飯塚さんが手を伸ばして角田さんに触れていたから。

似顔絵を描く時に、一人だけの場合は必要ないけれど、複数人になるとサイズ感や色味など、いろいろと関係性が気になってくる。

その辺りの描写力は、とても重要だと思っていて、例えば街並みを描いた時も建物や道路だけではなく、そこに居合わせる人など「関係性」があってこそ。

今回のシーンでは、不満顔の角田さんに手を伸ばして制している飯塚さんという関係があって、理由が原因は別としても、左腕を押さえられて立ち上がることが阻まれた雰囲気を描きたかった。

さらに細かなことを言えば、柔らかい生地であろうポロシャツを着た角田さんに対し、綿のTシャツにシャツを羽織った飯塚さんがいることも、光の当たり方で表現できていたら嬉しい。

今回の場合はブラック系の単色で、でも二人の後ろにある奥行き感が感じ取ってもらえたら、さらに嬉しく思う。

写真(画像)の完全コピーも、描画力を向上させる大切な練習ではあるけれど、機械的なコピーにならないように、描いた側の癖やタッチがいい感じに残されていて欲しい。

多分、今回のイラストは、トータルで10時間くらい掛かっていると思うけれど、これをさらにあと50時間使うと画質はかなり向上できると思う。

でも描くという意味では、「高画質」であることよりも「雰囲気をどう伝えられるのか?」にこだわりたい。

前回のイラストでは、角田さんと飯塚さんが抱き合っているシーンで、人が「奥行き」として存在し、それが二人になって抱き合った時にも、人としての厚みを損なわず、存在感を残して描くことを目指したかった。


東京03「返信メール」より らしいセリフがイイ!

 東京03人気コント「返信メール」

東京03の「返信メール」は、想いを寄せる相手からなかなか返信メールが届かない飯塚さんが落ち込んでいる場面から始まる。

そこに豊本さんが突っ込み、さらに角田さんが現れて落ち込む飯塚さんに絡み始める。

勢い余って、角田さんが飯塚さんを抱き寄せた。

そのタイミングで、飯塚さんが放った「強めに抱く〜」というセリフが特に好きで、今回はそのシーンを描いてみた。

二人とも白い衣装で、しかもシワが出来やすい。

描く上では、画力が試されるモチーフなので、どこまで描けるか個人的にも試してみたかった。

東京03人気コント『それぞれの災難』より 気になるシーンを描いてみた!

 絵描きの本音

「絵が上手い」と言われるためには、卓越された画力を目指すことだろう。

でも絵描きと呼ばれる人の大半は、「上手い」ということを重視していないのではないだろうか。

こみちの場合、「コレ、描けるかなぁ?」という気持ちが描くモチベーションになっている。

〇〇さんに似せた絵。喜怒哀楽が伝わる絵。

本音を言えば、もうその辺りには興味が薄い。

例えば、テーブルの上にりんごが1つ置いてあって、それを描くことになったとしよう。

「りんご」を描くとか、写真に見えるほどリアルに描くとか、確かに描こうというモチベーションにはなり得るけれど、描く前から完成度ってある程度見えていたりもする。

でも、描こうとしたりんごに、何か特徴的なキズがついていて、そのキズを見たら別の情景を連想させるような事情があったなら、絵描きはその背景を「描けるだろうか?」と張り切るだろう。

料理にしても、店で食べる味と家で食べる味に差があるのは、「味」には環境や雰囲気のようなものが強く影響するだと思うし、その描写に対して社会経験が伴っていない鑑賞者だと何を意図しているのか気づかないことも多い。

その意味では、りんごを「りんご」として描いたり、「写真っぽく」描いたりことは、見る側に予備知識がなくても鑑賞できるような絵だったりする。

一方で、絵描きが描きたい絵とは、段々とそんな類いから逸れて、見た瞬間に過去の経験や感情と結びつき、「もしかして?」と心を揺さぶることに目的があるのだろう。

つまり、描かれた「りんご」を見た時に、幸せそうな情景が浮かんだり、何か物寂しさが感じられたり、そんな「りんご」を通じて感情表現できたら、絵は存在価値を持つのだろう。

学生時代は喜怒哀楽の全てを満遍なく描いてみるのも大切だけど、社会人になって描くのであれば、自分にしか伝えられないような「気持ち」を表現したい。

人物画、風景画というジャンルに偏りがあったとしても、絵を見ただけで誰が描いたのか分かってしまうほどの感性を絵に盛り込めることが重要だからだ。

いつだったか、漫才のネタは同じなのに、漫才師が変わるとウケ方が違ってくるという映像を見たことがある。

「誰が何を喋るのか?」以上に、漫才師の仕草や間が笑いに大きな影響を与えているという証拠だ。

「あの人、絵が上手いよね!」

そう言わせてしまう原因は、まだまだ絵に中身が伴っていないからとも言える。

「上手い」と褒められることは嬉しいことだけど、その情景や空気感までも描き、見た瞬間に「この気持ちって何だろう?」と言いようのない感情の揺さぶりまでできるようになりたい。

東京03『それぞれの災難』より

 東京03人気コント

今回はこのシーンを選びました。

人物画を描く時に気をつけているポイントがあって、いわゆる「似顔絵」的なものではなくて、その人の雰囲気を目指しています。

具体的には背丈や重みから来るその人の存在感をどこまで描けるのかを意識しています。

飯塚さんと豊本さんの場合、多分身長的には豊本さんの方が高いはずで、また意外と肩回しも大きくて、でもだからこそ二人が並んだ時には少し猫背気味に立つ癖とかも描きたいと思っていました。

また、絵を描く人にとっては、衣類のシワをどう描くのかは気になる所ですが、雰囲気でパターン的なシワで誤魔化すこともできますが、イラスト的な仕上げではなく、写実的な仕上がりにしました。

腰に巻いたツナギの上着部分のボリューム感も今回の課題になるので、ベース色の青色を基本に、数段階色を使って描きました。

背景のロッカーも加え、立ち位置との距離感も明確になって、画面全体に統一感が出て来たら嬉しいです。

描くことがこみちにできる唯一のことでもあるので、少しずつでも成長できていたら良いのですが…。

この一枚に込めた想い

 この一枚に込めた想い

みなさんは絵を描いているでしょうか。

右の一枚。

個人的には、「描けるかなぁ?」という気持ちになったモチーフです。

ポイントとしては、ロウソクに灯った炎。

「嗚呼、火がついているなぁ」と無意識に感じ取れるくらいに描けたことです。

そして、もう一つのポイントが、その炎の明かりで照らし出された手や袖の反射具合を表現できること。

最後がグラスを忠実に描くことですが、これに関しては今回特に課題にはしませんでした。

鮮明な元画像を再現するのとは異なり、ある程度の粗さがある場合には、描き手が不鮮明な部分を補いながら描くことで、経験値を活かそう思う部分と、見えたままをどれだけ無で描けるのかという矛盾を抱えます。

今回もトレースやグリッドによるガイドを使っていないフリーハンドなので、元画像と全く同じに描くことはできません。

その代わりに、場の雰囲気や空気感を優先的に伝えることが期待でき、今回の描画でその何割かが再現できていたら嬉しいと思います。

冒頭に挙げたいくつかポイントの他に、両腕を前に伸ばしたことで、胴体との空間が作られています。

それはロウソクの炎の明るさによって視覚的に伝わるものですが、反省点としては腕部分のハイトーンをもう少し抑えることで、全体の距離に統一感が生まれたと思います。

手に関しても、階調としてはもう少し段階を分けて描くこともできたのですが、制作時間にも限りがあったので、時間との兼ね合いで省略したことが全体的の完成度を下げてしまったように感じます。

単純に人物画を似顔絵として描くのではなく、表情や仕草からその場の雰囲気や内面まで描けたらと思っていますが、今回に関しては顔が含まれてはいないので、気持ちというよりももっと美術的な要素として描くことを楽しみました。

暗闇を描くとか、照らされた部分と影の部分を描き分けるような表現は、必ず必要になるものなので、現時点でどれくらいの描写ができるのか確認できる課題でもありました。

修正点や課題もありますが、全体的には満足できる部分も多く、描いてよかったと思います。

どうでしょうか。


東京03人気コント『誰?』より 描きたかったシーン

 描きたかったシーンを描こう!

今回は特に描きたいと思ったシーンを選んでみました。

ただ、画力が露呈するので、ちょっと自信はありませんが…。

豊本さんが演じるモトコさんに掛かってきた電話が気になって、後ろから忍び寄る角田さんを描きました。

まだまだ細かな部分は描ききれていませんが、雰囲気が伝わっていたら嬉しいです。

東京03 人気コント『誰?』より 「誰〜!」と叫ぶシーン

 東京03のコントは

ふつう、コントなどのタイトルは、その内容を象徴するようなものから命名させます。

つまり東京03の「誰?」というタイトルのコントでは、誰か誰かに正体を聞きたくなる場面があって、そこに何らかのドラマが潜んでいることになります。

実際、冒頭シーンでは角田さんと豊本さんが二人並んでソファーに腰掛け、豊本さんが演じるモトコちゃんの失恋が根底にあって、不安な気持ちを癒そうとして角田さんが話掛けていたはずです。

今回描いたワンシーンは、角田さんが片手を高く上げて遠くを指さして、「誰〜!」と叫んでいます。

ある意味で、このコントのタイトルが命名された代表的なシーンです。

それ故に笑いがあって、コントとしても大きな盛り上がりになる部分です。


東京03人気コント『誰?』の冒頭シーンより

 『誰?』

東京03の作るコントは、タイトルから連想されるストーリーとは別角度の「裏設定」があたりします。

その意味では、この「誰?」についても同様で、最後の「オチ」は意外なひと言で終わります。

さらに、この「誰?」では冒頭から繰り返しの「セリフ」が登場し、無意識のうちに視聴者の頭に大きなフリとして認識することでしょう。

話が進むにつれて、その「セリフ」を意識して、ジワジワと笑いを生み出します。

今回、ピックアップしたワンシーンは、コントの冒頭シーンですが、東京03が人気である所以は、仕草の一つひとつがしっかりと演出されていることでしょう。

見ていただいている「絵」ですが、角田さんと豊本さんの役柄はどんな風に見えるでしょうか。

男女だから恋人同士?

でも角田さんの姿勢は少し手すりに寄りかかるようで、親身な間柄には思えません。

しかも、女性役の豊本さんも両手を組んでいて、決してリラックスしているだけではなく、どこか緊張しているようにも見えないでしょうか。

また、膝頭の向きと手の位置に着目しても、角田さんがどこか落ち着かない様子に見えますし、豊本さんは膝頭を角田さんに向けてもいません。

もしもカップルのような関係なら、きっと二人の距離が離れていたとしても、どこか向き合うような空間になることでしょう。

実際、この『誰?』では、角田さんが以前にフラれた経験のある友だちで、豊本さんの家に来ている設定です。

絵を描きながら、東京03の作るコントはストーリーもそうですが、演技という意味でもとても魅力的です。

だからこそ、その雰囲気を感じ取って描いてみたいと思うのです。

場面としては、もっと注目度の高いシーンがあるのですが、絵を描く者としてはあえてこのシーンを選んでみました。

なぜなら、単純に「男女がベンチに腰掛けている」ということではなく、今まで紹介したような設定があって、それに相応しい表情や仕草で彼らは演じているからです。

目標として、描かれた人物が誰なのか分かるということではなく、ある意味で心理のようなものまで感じ取れる絵を描けたらと思っています。

まだまだその域には到達できていませんが、今後もコツコツと描き続けて行きます。


東京03 人気コント「気遣い」より

 「コーヒー買って来たんですけど!」のシーン

コント「気遣い」は、何か気を利かせて「してあげる」だけではなく、「何もしない」こともある。

東京03のコント「気遣い」では、サラリーマンの先輩と後輩という立場で、後輩役の豊本さんは何かと積極的に先輩の飯塚さんに気を配る。

一方で、もう一人の後輩、角田さんはこれまで表立っては何もしなかった。

「お前、オレに何もしてくれたことがないよな!?」

という飯塚さんに問い詰められて、角田さんが「なんか〜」と語り出し、いつも積極的な豊本さんの行為をいじり出した。

それを見て、飯塚さんも思わず自身の胸に手を当てて、「ドキ!」とあざとさを示す。

コントではとても重要なワンシーン。

今回はそんなシーンを描いてみました。

精密画ではありませんが、コントの雰囲気が少しでも伝わっていたら嬉しいです。

東京03人気コント『気遣い』より 好きなワンシーンを描いてみた!

 気遣い

相手を思って、気の利いたことをさり気なくできる人を見ると大人だなぁとかんじます。

例えば、学生時代よりも、社会人になって気づくのは、「気遣い」の質。

「喜ぶ顔が見たい!」という素直な動機ならまだしも、「コレをすれば…」とどこかで自身の評価を見越して行動してしまうこともあるはず。

東京03の人気コント『気遣い』は、後輩の角田さんと豊本さんがまだ会社で残業している先輩の飯塚に会いに行くという設定。

すかさず豊本さんは缶コーヒーを買って、飯塚さんに届けます。

もちろんそんな気遣いに飯塚さんも喜び、ふと何もしない角田さんに「何かしてくれ!」とこれまでの鬱憤が一気に吐き出されます。

ところがあるタイミングで、角田さんが「なんか〜」と言い出します。

そして、そつの無い豊本さんを「お前は良いよなぁ」と意味深な発言をして、そんな行為をどこかで気恥ずかしいと語ります。

そして今回描いたワンシーンへと移ります。

「やってる〜!」

見え見えなことを平気でできる人と、それを見て真似できないと引いてしまう人。

「気遣い」というコントのタイトルの意図が明らかになります。

確かにさり気なくできれば良いのですが、どこかスマートじゃと周りからはアイツ「やってる〜」と思われているのかもしれません。


今回も東京03のコントシーンを描いてみる

 昔から憧れていた!?

東京03のコントが好きで、繰り返し何度も見ています。

脚本としての完成度もそうですが、お三方の演技力と個性の調和が絶妙で心地よくていいんです。

今回、選んだこのシーンは、先輩役の飯塚さんが以前から気になっていた後輩角田さんへの気持ちを爆発させた場面。

文字で伝えるという方法もありますが、描いて伝えるという方法もあります。

描いて伝えるためには、それぞれが誰で、手足の動きや表情をどこまで表現出来るのかも重要になるでしょう。

一人の人物が立っているのとは違って、複数名になれば大きさも重要ですし、動きや力感、奥行き感など、省略できないことも少なくありません。

だからこそ、どこまで自身の画力で再現し、それを誰かにお伝えできるかにこだわってしまうのです。

昔、今みたいにデジタルアートではなく、筆で描いていた頃、季節感や時刻をとても上手に表現される憧れの画家がいて、その方のフィルターを通して見える作品は独特の雰囲気にあふれていました。

まぁ、カメラでも厳密に言えば使うレンズメーカーや種類によって、それぞれの個性があるのですが、作風とか画風を自分なりに見つけるまでかなり悩んだ時期と重なり、とても勉強になりました。

「こみちっぽい絵」と言われることに憧れましたし、それはある意味で癖とかタッチから作られたものだと思います。

世の中には上手い絵を描ける人はたくさんいると思うのですが、どこまで雰囲気を伝えられるかは奥が深くて、だからこそずっとこだわりながら描いて来たつもりです。

まだまだ、本当に描きたいレベルには遠く及ばないのですが、これからももっと描き続けて、さらに憧れていた領域にたどり着きたいです。


東京03 豊美さんを描いてみた!

 豊美さんを描いてみた!

東京03のコント『魔が差して』は、不倫を題材に練られたネタです。

「魔が差して」というフレーズからは、浮気を問い詰められた時によく使うセリフでしょう。

しかし、東京03のコントでは少し違います。

このシーンは、ぬいぐるみを夫役の角田さんから投げ渡されて、妻役の豊美さんが受け取ったところです。

何やら浮かない表情を浮かべた豊美さんですが、どこまでそれがしっかりと描写できたでしょうか。

豊本さん演じる「豊美さんに似ている」ではなく、コントで重要な場面であるこのワンシーンの雰囲気をどこまで再現できたのかがポイントで、こみちとしても内面まで描けることを目指したいです。

正直なところ、羽織っているカーディガンの編み目などの描写が乏しく、もう少し時間を掛けて再現するべきだったと思います。

ただ、豊美さんの顔や髪を描くことで、かなり限界を迎えていたので、全体としての完成度が下がってしまいました。

美女を描いてみる!?パート3

 どこまで学べたのか?

女性を描く難しさを実感しながらも、試行錯誤を繰り返してみました。

全体に色が乗った段階で、ここからはさらに詳細な描き込みに入ります。

まだまだというか、先が見えないほど修正したいポイントがあって、どこまで追えるかが問われている感じです。

現段階では、肌のトーンを修正している途中で、特に右サイドの陰影に悩んでいます。

髪の毛も3段階くらいのトーンで分けてみましたが、まだまだ修正しなければいけません。

全く先が見えないです。

完成と呼べるところまで描けるのか、こみち自身も分からなくなって来ました。

東京03 角田晃広さんとぬいぐるみを描いてみた!

 東京03 角田晃広さんを描いてみた!

今回は似顔絵というよりも、新しい描き方を試みた一枚です。

こみちが描く絵は、芸術的な作品ではありません。

こみちが見た、感じた光景を文字ではなく、絵で表現できるための過程です。

なので「誰か?」ということよりも、「何を伝えたいか?」が大切だと思って描きています。

そのためには、性別や年齢、表情、さらに言えば存在している場所や時刻なども盛り込めるようになりたいのです。

なぜなら、そこには意図や流れがあって、その一つずつが意味を持ってそこに存在しているからです。

しかしながら、こみちの画力では全てのシーンを描くことがまだできません。

なので、少しずつですが描ける範囲を広げて、今以上に感じたことを絵で表現できる人になりたいです。

正直、こみちはあまり器用に生きられるタイプではなく、何度も同じ場所をぐるぐると回ってしまいます。

でもだから、こうして絵に出会い、ずっと絵を描くことを続けて来られたとも思います。

ボチボチの公式にはなりますが、この場をお借りして描いた絵を紹介させてください。

いつも応援してくださる方々、本当に感謝しています。どうもありがとう。

aiの作画から学ぼう!パート2

 aiから作画を学ぼう!パート2

昨今、「描くこと」自体はaiでできてしまう。

今回もaiの作画を見て、ポイントを学ぼうという話。

前回のイラストに比べて、もう少し加筆してものが右のイラストです。

光の反射を加えた段階で、一方でまだ途中の影の部分まで描けると急に立体感が伝わると思います。

髪の毛の描写などは、大まかな色づけだけですが、もう少し精密に色づけできると「髪質」が伝わるでしょう。

個人的には、女性の肌質を描くのは難しく、その色味の変化をしっかりと追えたら今後、描ける範囲が増えるはずです。

今はまだイラストと分かるレベルですが、どこかで写真っぽく見える境界線を、今回学べたら嬉しいと思っていて、もう少し加筆を続けたいと思います。

「マストな線」が見つかった?

 「絵」における「マストな線」とは?

絵を描いている時に「これだ!」と自分でも感心する「線」があって、その線が不思議と絵の中心的なイメージを作ります。

完成したイラストだけを見ると、誰かの背中で、脇にもう1人が立っていることに気づくでしょう。

元々は東京03のコントのワンシーンですが、見えている背中は成人男性な骨格です。

背景のエンジ色のひだに影ができて、そこに二人が向かって何か話しているようにも見えます。

脇に立つ人の背中にも影ができて、二人の距離感も伝わるでしょう。

絵をアップにすると、決して精密画ではなくて、でも先に紹介したようなイメージは伝わると思います。

個人的に、喜怒哀楽のような感情ばかりではなく、もっと曖昧で中途半端な感情がある場面を描くことにこだわっています。


「ai」で描いたリアルなイラストが溢れているけれど…

 機械に疎いこみちですが

写真や画像などスマホが身近にあるので、わざわざ描くと言う行為に価値が薄れているようです。

しかも最近では、aiによる高度な描写が可能になって、我々が何年も掛けて練習する必要がなくなってしまったとも感じます。

真面目な話をすれば、翻訳家や税務関係者など、他にももっとたくさんの職種で、従来の知識や技術がaiに置き換わろうとしている気がします。

まだ途中段階のイラストですが、ここから精度を上げてリアルな描写に到達するまで、例えば数時間、数日が掛かるとして、そこに時間を注ぎ込むだけの価値があるのかと言うとかなり考え方次第になって来ます。

まず、描くとはどんなことでしょうか。

少なくともこみちにとって描くとは、自己表現の一つで、もっと別の言い方をすると自分が何をどう見てどう感じたのかを伝える手段です。

つまり、その意味では「写真を撮る」結果、撮影できた画像が自身の心情を代弁しているのかということになり、もちろんカメラ撮影も興味深い行為ですが、やはり絵を描くことも価値を失われるものではありません。

なぜなら、自身には「こんな景色に見えた」という表現ができて、そのことが他の誰かに伝わったのなら、描く価値があるからです。

むしろ問題は、右上のイラストをリアルに描くことがしたいのかということ。

元の画像をそのまま模写しても、そこにできたのは自分の気持ちではなく、あくまで撮影者の心情に寄り添ったに過ぎません。

それはaiが描くことも同じで、仮に写真と見分けがつかない品質だったとしても、作り手の想いが伝わっているのかというと疑問が残ります。

描く行為が難しいと思うのは、着色することよりも、そもそも何をどう描こうと思ったのかという部分だからです。

目の前のりんごを描きました。

事実としてはそうですが、それで何を伝えたかったのかという部分が見つかりません。

つまり、デッサンのような練習は技術向上には役立ちますが、どんなに上手くなっても「伝えたいもの」ということにはなりません。

aiの発展に恐れているというよりも、写真と区別がつかないことが最終目標になってしまうことに怖さを感じます。

極論を言えば、人間の生産行為をすべてaiがになって、人間はただ三度の食事をするだけの存在になってしまうことを目指しているのかということ。

自動運転が当たり前になって、スマホで家まで車を呼び出して、乗り込めば目的地まで勝手に届けてくれる。

そうなれば、運転免許も必要ないですし、燃料は太陽エネルギーで賄えて…。

でも、その内、我々がどこかに出掛けることもなくなるでしょう。

名産品や特産品はオートメーションで作られて、自宅まで配送してくれるからです。

何なら各地の景色もバーチャルで体感できるでしょう。

そんな時代に、描くことってどんな意味があるのかと。

今回、aiによるイラスト真似て、自身でどれくらいリアルに描くことができるだろうと練習も兼ねて描き始めたのですが、ここまで描いてふと描く意味に行き詰まりました。

みなさんはどんな想いで、描いたりしているのでしょうか。

東京03人気コント「魔が差して」より 

 「トヨミさん」を描いてみた!

東京03の人気コント『魔が差して』は、夫婦の浮気をテーマにしている。

妻の浮気を疑い、予定を変更して急に帰宅する夫。

家での密会中だった妻は、慌てた様子で夫を出迎えた。

描いたシーンはそんな場面。

コントとしては序盤のシーンで、ここから面白い展開になるところ。

テーブルの上の灰皿に、夫の知らないタバコの吸い殻があって、それを問いただした場面。

「誰の吸い殻だ?」

「ああ、私」と咄嗟に嘘をついた妻。

真っ直ぐに夫を見られない妻の手を重ねて立っている様は、何かこれからの展開を予感させる。


東京03人気コント『アニバーサリーウォッシュ』より

 描くという行為

みなさんは、何歳の頃から描いていますか?

こみちの場合は園児だった頃からでしょうか。

よく覚えているのは、「ミツバチ」を描いた絵で、親が「これ、こみちが描いたの?」と言って「そうだよ」と答えた時に別の紙にもう一度描かされたことがありました。

三歳とか四歳にしては上手過ぎたのでしょう。

小学生の時も、学校の写生大会で茶色だけで風景画を描いて再度描き直しさせられたり、印影だけで京都の五重の塔の風景画を描いていたりと、思い起こせば「絵」との関わりは親身でした。

学生時代はバイクが趣味で、学校が長期休暇になるとツーリングに出掛けてはスケッチ旅行をしていました。

当時は今よりもずっと画力がなくて、鉛筆画や水彩画ばかり描いていました。

社会人になって、あまりバイク旅ができなくなって、小さなスケッチブックを持つようになって、もう水彩画はやらなくて、線画だけの簡単な絵ばかり描いて来ました。

当時住んでいた家から会社までの風景を、その場で5分とか10分くらいで簡単に描き取る感じで、街並みや駅のホーム、ランチで食べた料理など、文字で書き残す感覚で気になるものを描きました。

その頃はまだ「形」を描くことにこだわっていて、雲や暗所など、色の境が曖昧なものが苦手で、多分鉛筆画が多かったからもありますが、単品が多かった気がします。

そこからサイズ感とか距離感、空気感を描きたいと思うようになって、さらに今は「心情」や「雰囲気」を共通の意識してテーマにしています。

ライフワークというとなんだかカッコ良く聞こえますが、本当に「描くこと」しかできないんです。

それくらい、描くこと以外は長続きしませんでした。

決して上手くはありませんが、ボチボチと描いているので、よかったらまた覗いてみてくださいね。

東京03人気コント『アニバーサリーウォッシュ』より

 角田さんを描いてみる!

実演販売員に扮した角田晃広さんが、通りかかった客役の飯塚悟志さん相手に声を掛ける。

いつものセールトークを始めたものの、飯塚さんは「無」の反応を示す。

そんな態度に苛立ち、怒り出す角田さん。

その時に見せる表情は、ここ最近あまり見なかった表情に思える。

だからこそ、懐かしさもあって描きたかった。

もしかして「あの表情?」と、共感できたら嬉しい。

絵を描く目的はいろいろあるけれど、「りんご」をりんごっぽく描くことも大切だけど、「あのりんご」をどう伝えられるのかをとても大切にしたい。

脳内にある「虚像」を描くよりも、「目の前」にあった実在感を自在に表現できるようになりたい。

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