正20面体を描いてみよう!
あるYouTube動画を観ていて、プロではない人が一定期間練習するとどれだけ上手になるのか挑戦していました。
じっくりとその上達を紹介しているものではなかったのですが、映像を見る限り「とても上手に描く」と感じます。
しかし、最後のシーンで描いている「雑誌のモデル」を模す場面を見て、こみちが失敗した同じ過ちに気づきました。
短期間で真似を繰り返すことで「習得できる部分」と「繰り返し意識しないとできない部分」があるからです。
こみち自身も10代の頃に意識して絵を描くようになりましたが、本当に試行錯誤しながら少しずつ描けるようになりました。
もしもこれから、イラストを上手に描きたいと思う人がいて、独学で練習しなければいけない場合には、この「正20面体」を描いてみましょう。
ちなみに、ここに載せたイラストは、「正20面体」のイラストを見てこみちが模写したものです。
特に各頂点の位置関係と線の傾き具合が、どれだけ正確に描き落とせるかが課題でしょう。
というのも、例えば風景画を描くにしても、道や建物は、点と線がずれてしまうと完成度に影響します。
似顔絵を描く場合は、この点と線はもちろんですが、その強弱やわずかカールが表情となって現れます。
つまり、早く上達したいなら「基礎」に時間を割いた方が後々は楽だと思います。
こみちの場合、最初の頃はハガキサイズくらいの絵を描くことが多かったです。
しかし、それは、もっと大きな絵が描けなかったとも言えます。
理由はとても簡単で、「モチーフ」の特徴を細かく掴めないので、画面が大きくなっても描き込む情報量が増加せず、どこか間延びした完成度になってしまったからです。
つまり、小さな画面になる程、誤魔化しか効いて、それっぽく見えます。
でも、人の顔には細かな凹凸があって、色のくすみや明るさも微妙に異なります。
どこまで感じ取り描き写せるかが絵のうまさだとすれば、この「正20面体」はもっともシンプルな課題とも言えます。
もっと早くにそのことを意識し練習していれば、絵の上達も早かったはずですが、つい見た目ばかりを気にしてしまいました。
ある意味、この正20面体が躊躇なく描ける人は、角ばったモチーフなら簡単に描くことができるでしょう。
そして、次の課題として濃淡としてボリュームで捉える練習や、線のアクセントや表情まで意識すると、さらに表現の幅が広がるはずです。
こみちは描き始めて何十年も経ってからそのことに気づき、今は出来るだけモチーフの表情まで意識して描こうとしています。
無機質なモチーフではありますが、「正20面体」は目と指先がどれだけ正確に連携できているのかを確かめる課題に最適です。
試しにどれくらい描けるか試してみてはいかがでしょう。